フィンランドU&Pゲームズの新作『ヘルシンキ1918』を紹介する特設ページです。
 

歴史的背景

1917年11月、フィンランドはロシアからの独立を宣言しましたが、すぐに赤衛軍と白衛軍による内戦が始まりました。政府は白衛軍を正規軍として認めましたが、赤衛軍は翌年1月27日にヘルシンキを制圧、その他南部の主要都市も占領しました。新政府は白衛軍に守られつつ北へ逃れました。

赤衛軍、白衛軍とも戦闘に関しては素人の集団でしたが、ロシア国内に残るロシア兵から武器の供与を受け、序盤は赤衛軍有利に進みました。しかし3月にボルシェヴィキ政府がドイツと講話すると、フィンランドに残っていたロシア兵は帰国、代わってドイツ軍が白衛軍を支援するためにバルト海師団を派遣することになったのです。4月3日にフィンランド南部に上陸したドイツ軍部隊は赤衛軍戦線の後背を痛撃しました。11日にはヘルシンキ郊外に達します。

『ヘルシンキ1918』はこのような状況から始まります。

ゲーム・システム

流動的な市街戦を再現するため、このゲームでは固定的な手順は用いていません。「イニシアチブ」の判定を行って、それに勝利したプレイヤーがコマンド・ポイントを使って作戦を行います。ドイツ軍プレイヤーと赤衛軍プレイヤーがダイスを1個ずつ振り、大きな目を出すとイニシアチブを取ります。前回イニシアチブを取ったプレイヤーにはマイナス1の修整がつくため、連続してイニシアチブを取るのが困難になっています。そしてダイスの目が同数なら白衛軍プレイヤーがイニシアチブを取ります。


ただし、イニシアチブを持たないプレイヤーでも行動可能です。例えばドイツ軍がイニシアチブを取った時、一定の条件下で赤衛軍プレイヤーはカードを取得できますし、赤衛軍がイニシアチブを取った時は、赤衛軍が作戦を実行する前に(限られた条件下ですが)ドイツ軍は作戦を行えます──ドイツ軍の練度の高さを表しているわけです。

実行できる作戦は軍によって異なります。移動や戦闘といった一般的な行動とは別に、赤衛軍であればモラル(士気を高める努力)、リクルートメント(市民を革命に参加させて防衛戦に投入する)、白衛軍の逮捕、白衛軍ならスカッド(戦闘部隊)の編成、ドイツ軍なら支援要請などが可能です。ドイツ軍が命令のために消費したコマンド・ポイントによって時間が経過していきます。

どの軍も重要になるのがコマンド・コントロール。司令部を表すキューブと、部隊(中隊規模)を表すマーカーの位置関係によって直接指揮下、指揮下、コマンド・アウトいずれかの状態となります。夜間にコマンド・アウトになると、赤衛軍兵士は戦争をやめて家に帰ろうとするかもしれません(!!)。連絡線の保持が重要な要素になります。
 


▲『フィンランド内戦』のマップ


Paper Wars誌の『フィンランド内戦』は内戦全体を扱うものでしたが『ヘルシンキ1918』はヘルシンキの市街戦に焦点を当てた作品です。そのため1ヘクスの対辺距離は約300メートル、部隊も中隊規模と小スケールですが、戦闘の直前にロシアへ戻った「ミハイル・スヴェシニコフが赤衛軍の指揮を執り続けたら?」や「スヴェアボリ要塞が健在だったら?」といったwhat if?もゲーム・システムの中に盛り込まれており、史実とはまた違った展開を見せるかもしれません。やはり実戦同様、戦場の状況を正しく分析し、自軍と敵軍の能力を把握し、適切なコマンドを出せるプレイヤーが勝利できるのです。
 


▲『ヘルシンキ1918』のパッケージ


勝利条件は、タイム・リミットまでにドイツ軍&白衛軍がヘルシンキ市内にある5つの赤旗ヘクス全てを支配できるかどうかで決まります。最終ターンはドイツ軍ユニットが除去されるほど早まっていくので、無謀な攻撃はドイツ軍の首を絞めるだけとなります。一方の赤衛軍も、それ狙いで一発勝負の反撃をしかけていると、自軍ユニットの除去に伴ってモラルが低下していくので、奔放な作戦はやはり自殺行為につながります。モラルの低下は赤衛軍全体の結束力を失わせるのです。

3人でプレイする時は、ドイツ軍と白衛軍の間で綱引きが発生します。即ち、フィンランドを属国にしてしまいたいドイツは、ドイツ軍だけでヘルシンキを奪回したいところですが(この時点で第一次世界大戦の結末は見えていないのです)、白衛軍としてはもちろん自分たちの力で赤色革命から首都を解放し、戦後のドイツとの交渉も有利に進めたい。3人でプレイするとこのあたりの思惑が絡み合って、一層面白い展開になります。