ウォーゲームは正規軍同士の戦闘をテーマにした作品が主流ですが、中には特殊部隊の活躍を描くものもあります。今回はその中でもソリティアで特殊作戦をテーマにした作品をいくつかご紹介します。特殊作戦はその非対称性のため、ソリティアとの相性もぴったりです──プレイヤーは特殊部隊を指揮し、情報を収集しながらミッションの達成を目指すのです。

コマンドー!シリーズ

Decision Gamesの「ミニ・シリーズ」のひとつ。プレイヤーは特殊部隊を率いて与えられたミッションの達成を目指します。シリーズ・ゲームなので基本ルールをマスターすれば、あとはゲームごとに異なる専用ルールに目を通せばすぐにプレイできます。ゲームの流れは、

1. ミッションの決定: ミッション・カードを引いてその内容を確認します。
2. 部隊の編成: 決められたポイントを支払って自分が指揮するチームを編成します。ポイントを残しておいてゲーム中に使用することも可能です。
3. 目標物(オブジェクティブ)の配置: ミッション中に向かうべき場所です。目標物の中には本物と偽物があり、偽物だと敵に待ち伏せを受けたり、だいたいひどい目に遭います。
4. 作戦(Op)数の決定: そのミッション中にプレイヤーが行える作戦(ターン)の回数を決めます。基本になる値はミッション・カードに指示されていますが、編成ポイントを使って作戦回数を増やすことも可能です(「金で時間を買う」わけです)。



『メリル略奪隊』のセットアップ例。レド(Ledo)とコヒマ(Kohima)にプレイヤーが編成したイギリス軍の特殊部隊「チンディット」がいます。赤色の?は目標物で、特殊部隊はその奪取に向かわなければなりません。このゲームの場合はグライダーによる侵入が可能なので、コヒマにいる部隊がいきなり目標物を襲うこともできます。レドの部隊はその能力がないため、陸路を歩いていかなければなりません。

1回の作戦は次のような手順で構成されます。( )内は例です。

1. 作戦を行う部隊を1つ決めます。(コヒマにいる空挺部隊を選びました)
2. その部隊を移動させます。(インドー: Indawにグライダーで侵入しました)
3. 作戦カードを引きます。そのスペースに目標物マーカーがあればそれを表面にして指示に従います。(インドーには目標物マーカーがあったのでまず表面にします。本物でした。本物なら作戦カードを引き、指示された敵: OPFORと戦わなければなりません)
4. 戦闘が発生したら解決します。(以下でその方法を説明します)


OPFORユニットの数はカードで決まります。この時はダイス1個を振り出た目と同数のOPFORユニットが登場することに……何と5個のOPFORユニットが目標物をがっちりガードしていました。イギリス軍はリーダー1人とユニットが2個しかありません。多勢に無勢なので、事前に用意していた航空支援を呼びます。

戦闘はラウンド制で基本的にどちらかが全滅するまで行われます。各ラウンドの開始時に戦術的優位(タクティカル・エッジ)を決め、勝ったほうが先に射撃できます。射撃はユニットごと、戦闘力(印刷された数字)の数だけダイスを振って結果を判定します。

この例では……イギリス軍は戦術的優位を得たもののダイスの目が振るわず、強力な日本軍守備隊の反撃に遭い、全滅してしまいました!! ミッション失敗です。グライダー侵攻するのであれば、もっと航空支援が必要だし、いきなり目標物を狙うのではなく、ある程度作戦を行って敵の出方を見て=作戦カードを使ってカウンティングを行って、大丈夫そうだと判断してから目標物に挑むべきでした。

このように失敗を糧にして新たな作戦を考え、ミッションに挑む面白さがあります。



コマンドー!シリーズには以下の商品があります。




フリー・マーズ!シリーズ

Decision Gamesでは火星独立をテーマにしたSFゲーム・シリーズ「フリー・マーズ!」があり、こちらも特殊部隊に焦点を当てています。現在、『フォボス・ライジング』と『ケレス』の2作が発売されており、前者は惑星(小惑星)地表の特殊作戦を、後者は軌道上における空間の特殊作戦を扱っています。
自分の部隊を編成し、ミッションに挑むという流れはヒストリカルな特殊作戦と同じです。プレイヤーはマーティアン(火星人)の反乱軍を率いて、地球連邦軍による反乱鎮圧を阻止するため、ケレスで空間戦闘を行い、フォボスでは重要施設を制圧することになります。

空間戦闘の主役は宇宙船。攻撃艇やサイボーグ船など、特徴ある宇宙船にポッドを積んで強化を行い、惑星爆撃や空間突撃兵の軌道降下など、様々なミッションにチャレンジすることになります。地表戦闘では特殊部隊の他、ビークルやギアなど装備を充実させ、重要施設の制圧に臨みます。

「フリー・マーズ!」シリーズの特徴は、途中まで自分のミッションがわからないこと。本当に必要なことはNETと呼ばれるネットワークに侵入して調査する必要がありますが、NETから情報を取れば取るほど反乱軍の活動が敵に知られることとなり、抵抗が激しくなります。ミッション全体の「ストーリー」を考えた上での作戦行動が求められるでしょう。

フリー・マーズ!シリーズには以下の商品があります。