第一次大戦のイタリア戦線ゲームはあまり作られていないようで、カポレットが有名ではあるが、その前哨戦？のイソンゾの戦いは11回も行われている。本ゲームはそのイソンゾの第11回戦をテーマとしている。もともとアルプス越えで地形が険しく大部隊を展開するには厳しく、AH軍も伊軍も兵站能力には疑問符が付くため他の戦線のように大消耗戦も機動戦も起きにくいのではある。で、このゲームだがもとはPaperWars誌97号の「GALICIA1914」のシステムを用いている。スケールの違いもあり砲兵、騎兵、CRTなどが調整されている。同じシステムを用いてPW誌89号では「Burning Mountains1916」、ParaBellum誌1号で「Inferno sugli’ Altipiani1916」（同一のゲームである）が作られている。発表の順番が前後しているのは商業ベースになる前に同人？で発表されていたため。
本作では標高差、塹壕、渡河作戦、補充の難しさがシステムに入れてあり、参加部隊規模と砲兵量による損害の度合いを反映させるマグニチュードシステムと組合わせている。戦闘解決の手順が煩雑で慣れないと時間がかかるのと、戦力比-戦闘結果の見込みを立てるのが難しいところが難点か。作戦方針としては両軍とも2線防御が理想ではあるがAH軍には予備兵力が少なくうまく損失の回復ができるかがカギになる。伊軍は何点か戦線を崩せればそこから側面攻撃で戦果拡大を期待できる感じか。戦闘システムに慣れればという条件が付くが、マップが広くなくさっとプレイできると思う。
PW誌89号の方はAH軍によるStarfeExpeditionをテーマとしたもので、こちらはアジアーゴ地域侵攻を扱っている。こちらはAH軍の事前準備と指揮統制の優越が目立つが、やはりそれほど広いマップではなく慣れていればさっとプレイできるのではないだろうか。
ほぼ同一の基本システムのゲームが３つもあればそこにあと一つを追加してクワドリにしてくれないかなーと思うのは還暦ゲーマーあるあるでしょう。ピアーヴェ川かヴィットリオ・ヴェネトあたりかな？
（当然WW1イタリアに興味あるかという大問題があるが）

イタリアメーカーということで、オーストリア=ハンガリー帝国軍とイタリア軍の間で戦われたイゾンツォ川の戦いをテーマにした作品です。ハーフマップの作品で比較的プレアブルだと思うのですが、実際の戦闘は双方ともにかなりの損害が出て、Bloodyだったようです。ある意味、第一次世界大戦的な戦闘なのかもしれません。