『Operation Holland』は、1944年のドイツ軍による冬季反攻がアルデンヌではその北、イギリス第2軍戦区に対して行われたらどうなっていたか？　を検証するシミュレーションです。ヒトラーの狙いは史実同様アントワープですが（マップ内に入っています!!）、同時に人的資源が限界に達していたイギリス軍に出血を強いて、第21軍集団から翌年の攻勢能力を奪うことも目標に掲げていました。狙いどおりにいけば、ドイツ軍は戦力を東部戦線に集中でき、1945年1月に行われたソ連軍の攻勢を頓挫させられた……かもしれません。そうすればヨーロッパでの戦争が長引き、最初の被爆国は日本ではなくドイツになったのではないか、というのがデザイナーの考えです。

ゲーム・システムは東部戦線で冬季反攻を行っていたら？　という設定の仮想戦『Watch on the Oder』と同じ。プレイヤー・ターンでは移動／戦闘または戦闘／移動シークエンスが選択可能で、各ユニットは1ステップ＝1戦闘力を持ちます。フォン・デア・ハイテの空挺部隊やスコルツェニーの特殊部隊、第150SS装甲旅団など「お馴染みの面々」も登場します。イギリス軍は、マーケット・ガーデン作戦で辛うじて得た占領地を縮小してでもカナダ第1軍から部隊を引き抜くのか（モントゴメリー＝チャーチルの威信が失われてドイツ軍の得点になります）、アメリカ第9軍に頭を下げて援軍を回してもらうのか（モントゴメリー、以下同文）苦渋の決断を迫られます。