BG24116
冬の雷鳴: バルジの戦い
3,600円(税込3,960円)
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2個装甲軍を投入したドイツ軍最後の攻勢、連合軍の抵抗、そして反撃という劇的な展開は多くのクリエーターの創作欲を刺激し、これまで数多くの「バルジ・ゲーム」が出版されてきました。『冬の雷鳴: バルジの戦い』は、種々のユニークな作品を物してきたブライアン・トレインの作。戦闘解決に攻撃側・防御側それぞれが4種類/6種類の戦術を選択する「マトリクス・システム」を導入。プレイヤーの決断が戦闘の帰趨に直結し、それが戦い全般にも影響を及ぼします。果たしてあなたの決断は、ドイツ軍の攻勢を成功させるのか、それとも頓挫させるのか!?
クレジット: Winter Thunder: The Battle of the Bulge (2015)
- デザイナー: Brian Train
- パブリッシャー: Tiny Battle Publishing / ボンサイ・ゲームズ
- 日本語ルール: A4判20ページ
- 15 mm角カウンター: 198個
- マップ: A2判1枚
- プレイ補助シート: 1枚
だが、そのサイズからは想像できないほど濃密な作品であり、下手なフルマップゲームよりもよほど歯ごたえがある。
本作のもっとも特徴的なルール・システムはマトリクスを用いた戦闘解決方法だ。攻防両者が任意の戦術を選択し、同時に公開する。そして戦術表の交差欄を参照して戦闘結果を確認する。
この戦闘結果が他のゲームと異なるのは、表示されている結果がそのまま適用されるのではなく、あくまで判定修正値と後退数(前進数)が示されている点である。
そして戦闘参加ユニットは必要に応じて判定し、その結果損害を適用するわけだ。
このように書き出しただけでもやや冗長な感はあるが、実際に戦闘処理をおこなう時にも各戦闘ごとに3ステップを要するため、正直なところ処理回数が多い序盤はかなり疲れる。
だが、これがいい。
たしかに面倒と言われれば面倒なのだが、個人的にバルジゲームにおける最大の不満は、連合軍を担当した際のある種の「退屈さ」にある。
それは圧倒的なドイツ軍の攻撃にひたすら耐え、薄い戦線をどうにか持ち堪えることに終始するしかないからだ。
だが本作のこのシステムは、連合軍側の戦術選択如何でドイツ軍の攻撃をスカしたり、時に反撃をおこなって進攻を頓挫させることもできる。
要するに、「能動的に守る」ことのできるバルジゲームなのだ。
そう考えると、やや冗長に思える戦闘処理も、むしろ必然にさえ思えてくる。
また一つ、好きなバルジゲームが増えた。