『Fourteen Days in June: the Waterloo Campaign』はタイトルのとおり、ワーテルロー戦役全体を扱った2人用のキャンペーン・ゲームです。ユニークなシステムを用いているので簡単に説明しますと……

マップ上を動くのは司令官だけ
戦力単位は「師団」で、歩兵／騎兵／砲兵の兵種があります（フランス軍には他に皇帝近衛隊があります）。これらはマーカーによって管理され、マップ上には置かず「部隊ボックス」内で管理します。各部隊には1人以上の司令官が割り当てられ、ベースに置かれた最上級司令官だけがマップ上を移動し、その戦力は戦闘を行うまで相手から秘匿します。

初期計画
1815年戦役はフランス軍によるベルギー（オランダ南部）への侵攻から始まりました。ゲームが始まる前、フランス軍プレイヤーは各部隊に初期計画を行います（＝移動の最終目的地を決める）。これに対し連合軍は、途中で初期計画を立て（同じく、各部隊の移動先を決める）、フランス軍の初動に対応しなければなりません。

初期計画による移動は街道上に限定されます。そのままではいつかは敵部隊と接触し、戦闘が始まります。そしてそのままでは正面からの殴り合いとなり、戦力が多いほうが勝利するでしょう。そこで……

総司令官による柔軟な指揮
両軍の総司令官（ナポレオン、ウェリントン、ブルッヒャー）は自軍部隊に与えられている初期命令を破棄し、「さらなる命令」と呼ばれる命令変更を行えます。この命令は目的地などを設定する必要がなく、毎ターン、初期命令によって移動した部隊の後で自由な移動を可能にします。町を迂回したり、敵の側面に回り込んだり、強行軍で意表を突いたり……しかし、常に命令が届くとは限らず、総司令官から離れた部隊に命令が届くまでには時間がかかります。決戦場に肝心の部隊がやって来ないという状況も自然と再現されるのです。

デザイナーはStephen Pole
本作は『ウォー・イン・ザ・パシフィック日本語版』でもお馴染み、Strategemataの看板デザイナーのStephen Poleの手によるものです。戦闘解決システムもよく似ており、基本戦力に調整を行い、それにダイス目を加えた値を比較するというもの。司令官の階級によって投入できる師団数に制限があったり、損害を抑えるために（あるいは部隊の戦力を悟られないようにするために）一部の師団だけで戦うことができたりと、戦場の霧と摩擦が再現されています。

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