『Tornio '44』は、1944年10月に行われたトルニオの戦いをテーマにした作戦・戦術級ゲームです。フィンランドがソ連と単独講和をした後、フィンランドとの秘密協定「秋季演習」が有効であると信じて疑わなかったドイツ軍に対し、フィンランド軍は連合国（ソ連）の圧力を受け、ノルウェイ方面に撤収しようとするドイツ軍の後方に上陸作戦を実施、包囲しようとします。



奇襲は成功しました。しかし情報収集の杜撰さや当初は重火器を運べなかったことなどにより、主導権は増援を得たドイツ軍に移行します（上写真はドイツ軍のアルコール保管庫を見つけて酩酊したフィンランド軍ユニット）。ところが北極圏でソ連軍が攻勢を開始（この攻勢を扱うゲームに3CGの『Polar Storm』があります）、ドイツ軍はなけなしの部隊を引き抜かれ、さらにフィンランド軍に増援が到着すると主導権が逆転。フィンランド軍が撤退するドイツ軍を猛追する展開となります。

本作は、冬戦争3部作で有名なスウェーデンのパブリッシャーMikegamesが2015年に発売したものです。前ターンの戦果に応じて先攻／後攻が入れ替わることを除けば、各プレイヤー・ターンに移動・戦闘・展開（戦闘しなかったユニットが2回目の移動とオーバーランを行える）を繰り返すシンプルなゲーム・システムを採用しています。ユニット・スケールは中隊。両軍の詳細な戦闘序列にラップランド戦争ファンも思わず見惚れてしまうことでしょう。